title

UV355nmレーザー - LTCCスクライブ加工

LTCCとは低温同時焼成セラミックス「Low Temperture Co-fired Ceramics」のことで、アルミナにガラス成分を混ぜて低い融点で焼成できるようにしたセラミック素材。融点を低くすることでアルミナを積層して基板内部に融点の低い銅などの金属で回路をつくって同時焼成することが可能になる。


LTCCをレーザー加工する場合の特徴として、ガラスの含有率が高く基板の色が白くてツヤのあるものは、反射率が普通のアルミナよりも高くて加工しづらい。CO2レーザーは吸収しやすいものの、加工部分が溶けてガラス成分が溶着してより割断しづらくなる。ファイバーレーザーは反射されやすく、加工が安定しない。そこでUVレーザーによる加工を試みた、加工環境はガルバノ光学系。

※アルミナに混ぜる物質によっては基板に何かしらの色がついてファイバーレーザーによる加工もやりやすい場合がある




◆遅い速度で1回スキャン


LTCCスクライブ加工1
15kHzの場合

LTCCスクライブ加工2
40kHzの場合


パルスエネルギーの大きい15kHzの場合はそれなりに彫れているが、最も出力が大きくなる40kHzの場合は彫れるというよりもガラス成分が溶けて溶着したような感じになる。15kHzの場合は割断できるが、40kHzの場合は断面がボロボロになってしまう。



◆速い速度で100回スキャン


LTCCスクライブ加工3
15kHzの場合

LTCCスクライブ加工4
40kHzの場合


ともにそれなりの深さまで加工が入っており、割断もうまくいく。形状は15kHzの方が細くて深く、好ましい。



◆割断


LTCCスクライブ加工5
割断、上から観察

LTCCスクライブ加工6
割断、横から観察


割断した面はこのようになる。


以上のようにUVレーザーなら反射率の高いLTCC基板にも溝を彫ることができることが分かったが、使用したUVレーザーの出力が5Wでパルスエネルギーが100μJ程度だったため、加工に時間がかかった。もっと出力が高く、パルスエネルギーも高いUVレーザーを使用するとタクトは向上すると思われる。



▲ページの先頭へ戻る トップページ